カモメのつぶやき

好きな映画や本のことを書きます。あとアメリカに留学してたこともあるので、留学や英語にいつても書くことがあります。

ザ・スコセッシ映画なアイリッシュマン

スコセッシ監督作品はたけし映画のようです(正確にはたけし映画がスコセッシ映画のようだかな?)。

 

 

「またあいつが出演してるな」
双方の共通項はこれに尽きます。
スコセッシ映画なら、
「またデ・ニーロ出てる」
「またあの小さくてうるさい奴(ジョー・ペシ。今回はあまりうるさくない)出てる」
「今回もアル・パチーノ(余談だけどデ・ニーロはミドルネームと名字だけど、アル・パチーノはいつもフルネームだ)が共演か」
とかとか。
たけし映画なら
寺島進出てるな」
大杉漣って何気によく見るな」
「地味な名前の知らないこの役者よく見るな(芦川誠のことだ)」
「たけしの恋人や妻役は岸本佳世子がお似合いだな」
とかとか。

 

アイリッシュマン」

本作の最大の特徴は2つ、いや3つあります。
・長い。
・終盤まで退屈。
・公開してる劇場が極端に少なかった。

長さと退屈さに関しては、スコセッシファンならなんとかなります。おなじみの役者が出演してます。それだけで持つ。いつもの静かな狂気みたいな雰囲気でなんとなく名作を見てる気分にさせてくれます。
デ・ニーロが演じた役は本当ならあと20〜30歳くらい若い方がピンとくるけど、まあ、それは良い。この物語のピークは後半です。驚くべきことだけど、序盤2時間はプロローグと言っても良いです。
当時、公開してる劇場が少ないのがちょっと問題でした。Netflixでも見ることができたんだけど、その理由でほとんどの劇場が公開をパスしたとのこと。
私は運良く近所の劇場が公開してたけど、もしスコセッシファンで公開してる劇場に行けないなら、Netflixで見るという選択肢になったと思います。
スコセッシの3時間以上の退屈な超大作は、スマホはもちろん、テレビというサイズでは受け止めて切れないと思います。
近年、海外ドラマを始めスマホなどの端末で見ることを想定した作品が多いです。スピーディ、刺激的、続きが気になる良いところで終わる。見させるということにおいて洗練しまくってる作品群と『アイリッシュマン』を比較すれば、感覚的に面白く感じるのはそりゃ前者だと思います。
絶対途中で集中力が切れて、スマホ見たり家事やトイレとかいったん挟むことになる可能性が大きいです。その重厚な語り口がマイナスに働く悲しさ。
だからこの作品は無理してでも劇場行ってみた方が良かったです。東京観光に行って、その観光プログラムの一つに組み込んでみても良い。
ネガティブなことをいくつか書いたけど、実は面白い。何度も言うけど後半です。後半面白い。
今から見ようという人に助言を言うとすれば、いつものスコセッシ常連役者を見て後半までモチベーションを保ちましょう、ということか。

あとスコセッシリスペクトの強い『ジョーカー』と同じタイミングでの上映したというところが、映画史的には面白いところです。またスコセッシ曰く「映画とは言えない」な「エンドゲーム」も同じ年の公開でした。

現代的に解釈したスコセッシ系の映画と本家スコセッシを比較すると、やっぱ全然違うし、どっちも面白いというね。