カモメのつぶやき

好きな映画や本のことを書きます。あとアメリカに留学してたこともあるので、留学や英語にいつても書くことがあります。

デューン 砂の惑星 PART2 映像化不可能と言われた映画の続編。質の高いSF映画。

デューン 砂の惑星 PART2』を見ました。

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監督は私が大好きなドゥニ・ヴィルヌーヴ

『灼熱の魂』や『プリズナーズ』、『ボーダーライン』など深い人間ドラマを描く監督で、最近は『メッセージ』や『ブレードランナー 2049』と言った硬派なSFを撮っています。

そのドゥニさんが、満を辞して撮った『デューン砂の惑星』の続編です。

ここで『デューン』とはどんな作品かを軽く説明します。

 

デューンカウンターカルチャーを表現

1960年代、アメリカはカウンターカルチャーの時代でした。カウンターカルチャーとは、要はそれまでの既存の価値観に縛られずに生きていこうぜ、という文化です。それまでの価値観とは、髪を切って就職して結婚するという中流家庭主義です。権威主義的でもあり家父制度主義的でもあります。でもベトナム戦争が起こり、若者たちにとって、そういうのって嘘っぽく感じるようになるんです。政府が嘘をついてますからね。権威主義という点において、一番身近な権威である自分の親のことも疑うようになりますよ。

その代わりの価値観として、髪を伸ばす、フリーサックス、就職せず、ドラッグをする、みたいな感じです。音楽フェスティバルのウッドストックの時代です。

そんな背景で小説『デューン』は生まれました。砂に覆われ巨大な虫が支配する荒涼の惑星アラキス通称デューンが舞台です。宇宙を支配する力を持つメランジと呼ばれるスパイスを巡る争いと、救世主一族の革命と世界の混迷を軸にした壮大なドラマが展開されます。物語のキーとなる「スパイス」はドラッグのことですし、革命については、上記のような社会背景に伴う比喩になっています。

 

映像化不可能といわれたデューン

デューンは映像化不可能と言われ続けた小説です。

出版直後から幾度も映像化が構想されましたが、その壮大なドラマの製作は困難を極め、『エル・トポ』で知られる奇才アレハンドロ・ホドロフスキー監督を始め多くの人が挫折(その端末を語った『ホドロフスキーデューン』は傑作ドキュメンタリーです)。

なんせホドロフスキーが企画した『デューン』は、上映時間は10時間以上、出演者の中には1分10万ドルのギャラを約束したり予算が膨大になり、映画配給会社が尻込みして頓挫したといいます。

ようやく1984年に初めて映画化を成功させたのはディノ・デ・ラウレンティスであったが、監督したデイヴィッド・リンチ自身が認めているように、作品世界全体を描くには充分な内容に仕上がっていたとは言い難いものでした(カルトなファンは少なくない)。

デューン』を作るなら自分以外ならリンチ監督しかいないだろう、と思ったホドロフスキーは成功させてしまうかもしれないと嫉妬の念に駆られたが、実際観てみると失敗作と判断したホドロフスキーは嬉々としたといいます。

 

そういった映像化困難だった『デューン』ですが、今の映像技術の向上も伴い、ドゥニ・ヴィルヌーヴがきっちり映画として作り直しました。とてもちゃんとした映画になってるし、前作も絵力満載の佳作だと思いましたが、今回のパート2も絵がすごいです。想像の中のデューンがそのまま映像になった感じ。安っぽさはなし。

とりあえず、気になる人は行って間違い無いと思います。

こういう人はおすすめです。

・前作楽しめた人。

・前作楽しめたけど続編はもう良いかな。

・前作イマイチだったけど続編はやはり気になる

この辺りの人、行った方が良いと思います。「もう良いかな」と思う人も前作見たならやっぱり見た方が良いんじゃないかな、と思います。

映画館で観る方が良いタイプの映画ってあるじゃないですか。基本映画は映画館の方が楽しいと思いますが、特にそういう映画。例えば『ララランド』や『ボヘミアンラプソディ』なんかのミュージカルとか、最新映像を楽しみまた『アバター』や『スパイダーバース』シリーズとか。もっといろいろありすぎますから、ここではこれ以上言いませんが、『デューン』もそういった映画であることは間違いないと思います。

あの映像美をテレビやスマホで観るより、どう考えても映画館ですよ、これは。

このシリーズは映像美という角度から考えても、映像化不可能と言われた角度から考えても、いつか伝説的な映画という評価になる可能性が高いのではないかと想像しています。

その話の難解さ。一度見ただけでは理解できないんですよ、ストーリーを。でもそういう映画って、カルト的な人気が出ること多いじゃないですか。『攻殻機動隊』とか『2001年宇宙の旅』とか。あそこまでではないかもしれませんが、そういうタイプの映画になりそうな気配があるんですよね。何度も見て深掘りできる映画。

ただこの映画、パート1も2も長いんですよ。感覚的に。もう少しテンポ良く話を進めてくれないかなー、と私は思うんですが、こういうゆったりとしたテンポで贅沢に映像を楽しめる映画を好きな人も多いかもしれません。

今回はゼンデイヤ、良かったですね。スパイダーマンシリーズ以降、ヒロイン感がすごいですからね。今回はかっこかわいくて、ずっと見てられます。ゼンデイヤ演じるチャニに注目してほしいですね。

今回は以上です。

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