Twitterで盛り上がる定番映画の「ミスト」。鬱映画の筆頭です。
「ミスト」の魅力は、何と言ってもラストに集約されてますが、要は選択の物語だと思うんです。
以下ネタバレします。これから「見てみようかな」と思う人は、ネタバレなのでお気をつけください。
記憶曖昧なので、ディテール違うかもです。
街中が霧(ミスト)につつまれ、化け物があらわれます。あるスーパーマーケットに避難する主人公のパパと息子。ママとははぐれてます。
パパは誓い息子に言います。
「どんなことがあっても、決してお前を化け物の餌にはしない」と。
そういう中で、子供を家に置いてきた母親がいます。一緒に助けに行ってほしい、と懇願するものの、主人公のパパ含め、みんな助けにいくことは難しい、と。
その母親はひとりでスーパーを出て行っちゃいます。化け物がうろついてる外に女性ひとりは、自殺行為です。
外では化け物はウロウロしてるし、霧に包まれてるし、みんなの精神は極限状態に達していきます。
そんな中、狂信的に宗教を信じる女性が、化け物に生贄を与える、と主張し始めます。
パパはそのうち、その生贄は自分の子供になるんじゃないか、と心配になります。
それでパパ息子それに老夫婦と別の女性がスーパーから車で逃げます。
その車を走らせ自宅に行くとママの死体が…。
さらに未知の霧の中に車を走らせていきます。
原作小説ではここで終わってます。映画の鬱展開はここから。
監督フランク・タラボンのサディスティックな趣味が炸裂します。
車のガソリンが切れます。車はストップします。
しかし化け物がうろついてる霧の中は、歩くのは自殺行為。
選択が迫られます。
主人公はピストルを持っており、弾は四発。
パパは息子と交わした誓いを思い出します。
「決して化け物の餌にはしない」
みんなのとった選択は自決。尊厳死と言っても良いかもしれません。
パパはピストルで、老夫婦、女性、そして愛する息子を自分の手でその命を断ちます。
パパも死にたいですが、弾はない。
パパは外に出て化け物に食べられようとします。
しかし化け物はこない。
?
霧が晴れます。やってきたのは化け物を制したアメリカ軍だったのです。
そして避難用のトラックに乗っているのは、息子を助けるためにスーパーから出た母親とその息子。
その皮肉にパパは咆哮して物語は幕を閉じます。
「もしも(If)」を思わずにはいられないこの物語。
もしも息子を助けに行く母親を助けるために一緒にスーパーを出たら。
もしもピストルがなかったら。
もしもあと1日、いやあと数時間自決をするのを遅らせたら。
もしもガソリンがもっとあったら。
もしもスーパーでの生贄を阻止できていれば。
果てしない「もしも」が、我々の思考を襲います。
それは紛れもなく、もしも自分だったらどうする?という問いだと思います。
それゆえに、これを見ると絶望を感じてしまうのかもしれません。
今回言いたいことはこのくらいです。