カモメのつぶやき

好きな映画や本のことを書きます。あとアメリカに留学してたこともあるので、留学や英語にいつても書くことがあります。

男の子の好きな物が詰まった小説『キマイラ』シリーズ

 最初に言っておくと、これから紹介する小説『キマイラ』をまだ読んでない人が、私はとても羨ましい。

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男の子の好きな物を全部乗せ

 なぜなら、この小説がとても面白いからです。あのワクワク感。『キマイラ』は、男の子が好きな物が全部詰め込まれた小説です。

・学園物

・格闘技

・ファンタジー

・宗教

・エロ

・歴史

・恋愛

・師弟の絆

・友情

・アクション

・ミステリー

 どうです?

 これすごくないですか?

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作者はレジェンド級の大作家

 具体的に『キマイラ』の凄さを語る前に、作者夢枕獏の経歴を少し紹介します。

 代表作。

 まずシリーズ化されてる作品です。

 複数の巻で出してる作品の多さにビビります。それも全部面白い。下記陰陽師以外は全部完結まで読みましたが、どれも最高です。

・キマイラシリーズ

・闇狩師シリーズ

サイコダイバーシリーズ

・獅子の門シリーズ

餓狼伝シリーズ

大帝の剣シリーズ

陰陽師シリーズ

 

続いて1〜4冊くらいで終わる小説をいくつか

上弦の月を食べる獅子

 第10回日本SF大賞を受賞、第21回星雲賞(日本長編部門)を受賞。

神々の山嶺

 第11回柴田錬三郎賞、第16回日本冒険小説協会大賞(国内部門)を受賞。

・大江戸釣客伝

 第39回泉鏡花文学賞、第5回舟橋聖一文学賞、第46回吉川英治文学賞を受賞。

東天の獅子

 

 ぶっちゃけ、上記小説どれ読んでも面白いです。つまらなかったら、シリーズ化なんかまずされないし、賞も取れないでしょうから。

 それに漫画化、映画化された作品もひとつやふたつじゃありません。陰陽師神々の山嶺など漫画化映画化されてるし、餓狼伝刃牙シリーズで有名な板垣退助によって漫画化されています。『キマイラ』だって、押井守で映像化の企画があります(あの話どうなったんだろう?)。

 

『キマイラ』こそレジェンド作家の代表作

 つまり、夢枕獏の小説家って、とても面白いんですよ。その夢枕獏の代表作オブザ代表作が『キマイラ』です。

 どんな話かと言うと、獣になってしまう少年の謎にまつわる壮大な物語です。現代のある高等学校から物語は始まります。そこから格闘バトルや恋愛、そして獣化を巡るミステリーが展開されます。日本が舞台ですが、その起源を探る話は海外へと以降します。その話が壮大すぎて、回想シーンの回想シーンの回想シーンまで行ってしまったことがあります。そこには巻数でいうとたぶん3〜4巻は費やされてると記憶してます。私はそれを読んでるとき、もう現代の話に戻ってこれないんじゃないか、と思ったほどです。回想シーン面白いんですがね。理由はわかりませんが、回想シーンが最も深い時に、しばらく新刊が出版されませんでしたからね。夢枕獏もどうやって現代に戻ろうか困ったんじゃないかと思います(笑)。

 何が言いたいかというと、その物語のスケール感です。そんじょ、そこらの薄っぺらいファンタジーとは一線を画する超一流の物語なんです。

 

今は亡き最高峰の批評家への誓い

 小説の批評家の第一人者北上次郎は、人生で絶対やりたいことのみっつの中のひとつに『キマイラ』批評をあげていました。北上次郎夢枕獏の全ては『キマイラ』にあるはず、と考えていました。

 以下は昨年2022年秋の話。

「『キマイラ』が未完なので書けない。だから物語も読んでないんだ」と北上次郎夢枕獏に言うと

「私は癌なので物語を完結できるのかわからない。だから先書いちゃってください」と夢枕獏は言ったといいます。しかし残念なことにその後すぐに北上次郎は他界してしまいます。

 夢枕獏は、北上次郎への追悼文に「物語を完結させる」と書いています。

 

実は私も約束(?)したことがある!

 以前、あるパーティで夢枕獏に会う機会がありました。その時私は思わず、

「キマイラ! キマイラ、完結まで楽しみにしてます! 頑張ってください!」と言うと夢枕獏

「うん、キマイラ、今書いてるよ〜」と楽しそうに言っていました。

 夢枕獏の全てがある小説『キマイラ』。私も30年くらいの付き合いになりますが、時々最初から読み返すことがあります。その時は一気読みです。埼玉から愛知県へ深夜バスで旅行に行った時は、5、6冊のキマイラをカバンに詰め込み、移動時間、ぶっ通しで読んだこともあります。一度読んだら止まらないその面白さ。

 夢枕獏は、彼が書く小説のライバルは漫画だと言ったことがあります。エンタメとして漫画の凄さを認めつつ、それ以上の面白い物語を書きたい、と。

 私の持論ですが、つまらない小説とつまらない漫画を比べると、つまらない漫画の方がおもしろい。一方、面白い漫画と面白い小説なら、面白い小説の方が面白い。よくできた小説は脳内再生する際、想像上のなので理想的なシーンになるわけです。あらかじめ絵のあるメディアでは、その面白さは太刀打ち出来ないのは当然と言えば当然ですね。

 そんな小説を書ける最高峰といえるのが夢枕獏であり、その夢枕獏の全てがある『キマイラ』はつまらないはずがないんですよ。

 夢枕獏は『キマイラ』シリーズの後書きに毎回必ず書いてる言葉があります。そしてそれは嘘じゃなくて本当のことです。

 この物語は絶対面白い。

 自分で言い切る凄さ。たぶん命賭けて書いてますよ。

 これをここまで読んだ人、一度騙されたと思って読んでみると良いと思います。あの物語は絶対面白いですから。

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