カモメのつぶやき

好きな映画や本のことを書きます。あとアメリカに留学してたこともあるので、留学や英語にいつても書くことがあります。

ロッキーⅣおさらして気づいたアポロの雑魚さ

 最近ロッキーのことを、ずっと考えてます。ロッキーのことを考えるということは、アポロのことを考えてる、ということにもなります。『ロッキー vs ドラゴ ロッキーⅣ』の公開がか楽しみなので、事前にオリジナルの『ロッキーⅣ』を予習(復習?)するため、Amazonプライムビデオで見てみた。

 

 今回はアポロの雑魚さ、その理由について書きたいと思います。

 

 



 この映画は、ロッキーシリーズ的な評価でいうと、必ずしも高評価ではなくて、むしろ古参のロッキーファンからは、『ロッキーⅤ』ほどではないけど、低評価の対象な作品なわけです。

 しかしスタローンの俳優人生においては、紛れもなく『ロッキーⅣ』の時期が、人気的にはピークでした。この頃は『ランボー2』も公開されてるし、スタローン自身の肉体もこの頃が一番キレッキレです。

 日本での人気もすごくて、某ハムメーカーの「商品を買って、スタローンと遊ぼう!」という企画があったほどです。私の母親はそのCMを見て「あんな人に遊ばれたら何をするかわからない」とブツブツ言っていたことを思い出します。きっとランボーのイメージがあったのでしょう。

 あの企画でスタローンと遊んだ人、たまにネットで調べるけど一向に見つかりません。どなたかそういう人の話を知ってる人がいたら、教えて欲しいです。

 話がそれました。

 今回共有したいのは、アポロのことです。

 クリードシリーズとあわせて全8作あるロッキーサーガは、別の角度からみると、アポロの物語とも言えます。1〜4までは、物語の中心人物の一人でしたし、その後のクリードへとつながるのに不可欠な人物です。

 第一、アポロがいなかったら、ロッキーの物語は成立してないんです。一作目のロッキーで、偉大な世界チャンピオンのアポロは、対戦相手を探していました。その眼鏡にかなったのがロッキーです。

「イタリアの種馬(イタリアンスタリオン)! 名前がいい! こいつはいい!」と上機嫌で、自身の対戦相手に、ロッキー押しになるアポロ。字幕ではあまり翻訳されませんが、実際、アポロは『ロッキーⅢ』でロッキーのことを何度も親しみを込めて「スタリオン」って呼んでいます。「スタリオン」っていうニックネーム、そうとう気に入ってるんだと思います。『ロッキーⅢ』にもなると、「イタリアの種馬」なんてニックネーム、一作目ほどフィーチャーしてないのに、アポロは「スタリオン」と呼んでいるのです。

 またボクサーとしてだけてはなく、エンタメのプロデューサーとしても優秀なアポロ。しかしその自らの優秀さによって、ボクサー人生があるいはその後の人生もある意味、転落していきます。

 前述した通り、世界戦に選ばれるシンデレラストーリー。その幸運なシンデレラボーイを自ら選んだアポロ。そして、そのシンデレラボーイと死闘を演じて辛くも判定勝ちを納めます。

 ロッキーを選んだ時に「こいつは危険だ! サウスポーだ! 火薬の匂いがする」とアポロに警告を鳴らしたアポロのセコンドであり側近的な存在のデュークの慧眼は驚くべきものがあります。さすがです。履歴書みたいな資料を見ただけで、ロッキーの中のきらめく何かを見出したのはプロ中のプロの見切りと言って良いでしょう。デュークについては、まだいろいろ書きたいのですが、今回はこの辺で。

 アポロはデュークの忠告をシカトして、ロッキーを対戦相手に選び、辛勝しますが、その結果「偽物のチャンピオン」などとメディアで炎上してしまいます。アポロはそのことにプライドを傷つけられ、ロッキーに再選を申し込みますが、ロッキー自身はあまりやる気なし。何だかんだで再戦。自らの真のチャンピオン性を証明するための戦いで、アポロはロッキーに敗れてしまいます。

 ここで、アポロのプロボクサーとしてのキャリアは終わってしまいます。自ら招いた引退ですし、なんの同情もありません。ロッキーと戦うまで、全勝してる偉大なチャンピオンだったのに、相手の力量を測ることができないために、敗北してしまいます。

 ここにアポロの雑魚さがあるのです。

 雑魚とは何か? ことバトル漫画において、雑魚とは勝った負けたでは判断されません。例えば、『ドラゴンボール』の亀仙人。初期の頃は最高レベルの強さだったけど、後半は周りが強くなりすぎて戦闘に参加することがないほど、強さの差が開きました。しかしそれでも、亀仙人のことを雑魚と思う人はいません。

 なぜか? 

 一方で、ターミネーターに出てる街のチンピラたち。ターミネーターにからむも、返り討ちにあいます。あいつらは間違い雑魚です。

 なぜか?

 雑魚とは、相手の力量を測れない者なのです。まさに「舐めてた相手が殺人マシンでした」というシチュエーションで、舐めてる奴が雑魚なのです。

 ロッキーシリーズで、それは誰か?

 そう、アポロなんです。

 ロッキーを自らの対戦相手に選び、再戦を望み再戦をして敗北をし、ソ連のチャンピオンドラゴをコケにして対戦を申し込み殺される。特にドラゴの実力を見抜けなかったことが痛い。文字通り墓穴を掘る結果となりました。

 アポロの人生は相手の力量を完全に見誤っており、それが原因で人生を変えてしまったんです。もしかすると、チャンピオンでありながら、チェレンジャー精神の強い性格なのかもしれません。

 アポロは偉大なチャンピオンであり、プロモーターとしても凄腕です。きっとボクサーじゃなくても成功してそうな感じです。なんだかんだロッキーと親友になるほどでコミュニケーション能力も高そうだし。でも「不器用さ」や「もがき」などの素晴らしさがひとつのテーマであるロッキーユニバースにおいて、アポロのその「有能さ」「器用さ」は敗者のフラグでしたかないのかもしれません。

 知らんけど。

 

 今日言いたいことはそれくらいです。