カモメのつぶやき

好きな映画や本のことを書きます。あとアメリカに留学してたこともあるので、留学や英語にいつても書くことがあります。

30年以上続いてる小説の最新刊を読む

今週のお題「年内にやっておきたいこと」

夢枕獏という作家がいる。

とても面白い小説を書く。ファンだ。でも欠点もある。

その欠点とは、書いている期間が長くて終わらない、ということだ。

『キマイラ』という小説は30年以上続いていて、未だ未完。

とても面白い小説です。格闘技、歴史、宗教、恋愛、ホラー、エロ、ミステリー、友情など、いろいろな要素が入っている。そこまで入れると、破綻しそうなものだけど、面白い。

正直この小説を読んだことがない人が羨ましい。あの楽しさを今から味わえるのだから。

この作品は夢枕獏にとって手塚治虫の『火の鳥』にあたるような、獏ちゃんの総合小説になっている。面白さも『火の鳥』に勝るとも劣らない。と言ったら言い過ぎだろうか。

 

開始当時、小学生だった私はもう40代の子持ち。高校生の主人公たちの年齢を飛び越え、その親や保護者たちに違い年齢になっている。

前刊では、主人公のひとりが携帯電話を使った。

う〜ん、さりげなく今の時代のことにしてるけど、何となくすごい違和感。こっちとしては、80年代の物語として考えてるから。物語の本質的な所とは関係ないけど、やっぱりちょっと違うかなぁと思う。

しかしそれを補う面白さがあるから始末に負えない。それでも少しづつ、話の物語のテンションが落ちてないかな、とも思う。

もうこの『キマイラ』という話に最後まで付き合うけど、長くて未完のまま終わった小説の代表として『グイン・サーガ』という前例がある。130巻続いて作者が死んでしまい未完(現在は他の人が書いている)。130冊目のタイトルが「見知らぬ明日」。130冊続いて「見知らぬ」って。

というわけで、長い物語には免疫がある。ここまでくると、

1 作者が物語を完結させる

2 作者が未完のまま死ぬ

3 未完の状態で俺が死ぬ

この3パターンしかない。

あとは、読むのをやめるという選択肢があるが、それはない。

というくらい面白い小説です。そこまで付き合う必要はないですが、興味のある人はぜひ。

キマイラ1

 

 

 

キマイラ1