世の中に絶望する瞬間は、シンプルな物が見つからないときです。
例えば、お金がたくさんあって上限なしで、新車を買ってもらえるとします。なんなら維持費も出してもらえます。
心底欲しいと思うデザインの車が思いつかないんです。機能は素敵な物が多いんですが、「これだ!」というデザインの新車がみつかりません。流線型の流れるボディで未来的なデザイン。一言ではいえないデザインです。また走る以外の機能もいろいろついてて、きっと私には使いこなせまないでしょう。車の中で動画を見れたり、フルフラットになる座席構造、冷蔵庫等々。私の場合は、オートマでエアコンとカーステレオがあれば十分です。
昔の車のデザインで今の車の機能であれば、絶対売れると思うんですけど、そんなこと思うのは私だけでしょうか。ときどき、旧型フィアット500の中身を軽自動車と入れ替えた車がウェブのニュースになってますが、ああいうの良いですよね。
古い車のデザインのシンプルさに惹かれます。フォルクスワーゲンのビートルも素敵です。古いミニクーパーも良いですよ。
フィアットやミニクーパーみたいな丸いライトの車が少ないんですよ。私は丸いライトの車が大好きなんですが、この時点で選択肢が少なくなります。丸いライトの新車もありますが、かわいい系が多く、大の大人が乗れる渋い車がないんですよね。
あ、ジムニーは良いですね、ジムニーは。しかしジムニーは極めて限定的な車ですから、一家に一台な車としてなかなかあれを選ぶには、ライフスタイルが合わないんですよね。素敵ですけど。
車の他に新作のスニーカーで、グッとくるデザインの物というと、これまたあんまりないんです。いつまでたっても、オールスターやジャックパーセルばっかり履いてるんです。腰を痛めてもコンバースのローテクスニーカーばかり履いてて「俺は何をしてるんだ。足腰に優しいハイテクスニーカーを履くべきだろう」と思いながら今日もオールスターを履くのです。
どうしても近未来的なボリュームのあるハイテクスニーカーが自分のファッションにフィットしないんですよね。あのゴテゴテしたデザインが。なぜあんな過剰なデザインにするのか?と思いつつ、今ではああいうスニーカーにあわせるファッションもぜんぜんアリになってしまいした。だからって今さらハイテクスニーカーに迎合するわけにもいかないんですよ。
コンバースのオールスター、レザーのは少し履き心地が良いのでそれ履いてますが、それはそれとして。
オールスターのまったく同じデザインで履き心地が最高なやつ作ってくれれば、バカ売れすると思いますよ。マジで使って欲しいです。ローとハイカット両方買いますよ。なんなら黒と白あわせて計4足。
なんてことを思ってたら、USオリジネーターというモデルが履き心地が良いということで、昨日Amazonでポチってみました。サイズがなかったのでかなりオーバーサイズの30cm。到着が楽しみです。
そういう感じなので、着る服も高校生の頃からあんまり変わりません。いつでもどこでも買える物で、なるべくシンプル。パンツはジーパンとディッキーズばかり買いますし、Tシャツはヘインズのビーフィ。上着は革ジャンか緑色したミリタリーのやつ。これからも変わらないかもですね。
家電も複雑化が進み、シンプルさが失われています。
オーブンレンジを購入しようと電気屋さんへ行ってみると、多機能過ぎてついていけず。選んだのは電子レンジの使い方が一番分かりやすかったやつ。見た目もなるべくシンプルにしたいけど、なかなかそんなものはなく、普通のにしました。
ドラム式の洗濯機だと、もう絶望的で、気が狂ってしまったのか、店で一番高いやつを買ってしまいました。もはや私の好みが介入する余地はなく、奥さんに委ねてしまいました。かなりゴツめなやつ。まあ私が使うわけじゃないので…。
シンプルなデザインは世の中には希少であり、それゆえに差別化により価値が出て高額になってる感じもします。
その点、偉いのがiPhoneとかのAppleの製品かもしれません。見た目のデザインが過剰になってないですよね。かなりしっかりブランディングしてるなぁ、と感心します、マジで。
今さらApple製品のデザインを褒めることもあるまい、という気持ちもありますが、改めてすごいことですね。
ただし、今の大きくなったiPhoneやゴールド色みたいなのは、スティーブ・ジョブズの好みとするところの、それじゃないだろうな、と想像したりします。
iPhoneは、小さいのが良かったところありますけどね。年々巨大化するiPhone。私は会社のiPhoneと個人のiPhoneを2台持ちしてるので、ズボンのポッケに入れると腰回りがガサばります。
昔からあるシンプルな物の良さって、普遍的な物の良さなのかな、と思いつつ、自分の感性が保守的すぎるだけなのか、と悩む日々です。
本当は最新テクノロジーを試してみたいんじゃないのか?という自分の疑念を押し殺しつつ、今日も高校の頃からずっと買い続けてるヘインズを着ています。