カモメのつぶやき

好きな映画や本のことを書きます。あとアメリカに留学してたこともあるので、留学や英語にいつても書くことがあります。

大人になったような、ならないような神木隆之介くんの『ゴジラ-1.0』

ゴジラ-1.0』見ました。

ゴジラ、良いですね。あまり難しいことを考えないで楽しむことができました。

気になったのは、主役の神木隆之介。主役だけに気になります。もう30歳なんですね。設定上は、疑うことなく大人の男性なんですよ。無精髭なんか生やしちゃって、すっかり大人です。心の傷なんかも抱えてて、影のあるキャラクターを演じています。設定ならアラフィフの私より全然大人です。

 

でも「なんか子供っぽいなー」と思いながら見てました。これは近年の日本人俳優のルックスの若さがネガティブに働く現象なのかと思って見てました。他の同年代俳優も若く子供に見えるかもしれません。なんなら二十歳くらいの役をしても違和感ないと思う、この世代の俳優たちは。

でも神木隆之介くんの違和感は、それだけじゃない気もしてて。「くん」付けで呼びたくなる子役気質も手伝ってるでしょう。子役出身の俳優の宿命でしょうし、そういう意味では『北の国から』の純くんこと吉岡秀隆と共演してたのも興味深いです。

ゴジラ-1.0にまつわる神木隆之介くんに思う違和感は、「今回、無理してねえか?」ということに尽きるのかもしれません。いつも若い役をやり、それをきっちりこなしてますし、我々もその若さに馴染んでるわけですよ。神木隆之介なら、まだ高校生の役やってもらっても、ギリギリ受け入れることができると思う。

それが今回の役柄は特攻隊崩れの元戦闘機乗り。時代考証的には、二十歳くらいの奴が特攻隊に行くことだってあるでしょうし、それから数年後なんでぜんぜんピッタリの年齢ですよ。

でもね、我々が思う特攻隊崩れの戦闘機乗りのイメージなんて、三船敏郎とか勝慎太郎とかもう今は亡きレジェンド級の下手すれば彼らの作品を見たことがないくらいの時代感の俳優が演じないと、リアリティを感じることができないと思うんです。今の民主主義や科学の時代の価値観とは違う時代の人間の片鱗を感じないと難しいんですよ。そういう人間が新しい時代を切り開いて作っていくことに感動するわけですが、めちゃめちゃ民主主義的な平成的或いは令和的な若さを感じる神木隆之介では少々荷が重いのではないかと。じゃあ「現存する俳優で誰なら良いんだよ?」と聞かれると、ちょっとわからないですが。

今回の神木隆之介は、そんなに悪くないと思います。家庭的なシーンや優しい人であることを表現する際はとても良かったです。しかしやはり心の傷を負ってる表現であったり慟哭するシーンは、あんまり似合わないなあ、と思っちゃいました。

でもこれを機に、神木隆之介を追う気がしてるんです。今までは気になる作品に神木隆之介が出演してるというパターンでしたが、以降は神木隆之介が出てるから見る、というパターンに移行する気がします。

今回の神木隆之介はとても気になる存在で目立ってましたからね。違和感あるものの、存在感あるってすごいと思います。