カモメのつぶやき

好きな映画や本のことを書きます。あとアメリカに留学してたこともあるので、留学や英語にいつても書くことがあります。

人生を四苦八苦して生きる主人公に自分を重ねてしまうまう『フルートベール駅で』

 ひでえ話だ。

 こんなひどい出来事があって良いのか。理不尽すぎる。

 私には家族があり子供がいます。人生を四苦八苦しながら日々を過ごしています。ほとんどの人と同じような感じだと思います。

『フルートベール駅で』は、2009年1月1日にカリフォルニア州で発生したオスカー・グラント三世射殺事件を題材にした作品です。

フルートベール駅で(字幕版)

フルートベール駅で(字幕版)

  • マイケル・B・ジョーダン
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 この主人公オスカーも、きっと私たちと同じように人生を四苦八苦しています。そんなオスカーの平凡な1日をフォーカスしたこの映画は、オスカーは私たちと同じ人間なのだ、ということを示しています。

 

監督のクーグラーは言います。

「私は観客の皆さんにこの男性を知ってほしい、興味を持ってほしいと思いました。つまり、事件に至った状況を、紙で読むのとは違った形で知ってほしかったのです。どういう意味かと申しますと、ある人を人間であるとみなすとき、生は何らかの意味を持つということなのです。」(ウキペディアより)

 

 オスカーの1日はふんだりけったりです。

 恋人に浮気がバレて責められ、クビになった職場に復帰するために頭を下げに行くも失敗。やけになりマリファナを売ろうとするけど、良心からそれをやめ、恋人にまともに生きることを宣言します。オスカーには愛する娘も母親もいます。何とか持ち直して、これから何か良いことも起こるかもしれない予感がある1日でした。

 ごくごくありふれた日常が描かれます。

 オスカー、お前は俺なのか?

 何度も何度もそう思いました。うまくいかない人生だけど、希望だってないわけじゃないんです。ささやかな幸せを掴むために、人生を頑張ります。

 しかしその夜悲劇は起こります。

 私は思います。もし生まれる境遇がオスカーと同じだったら、と。もしそうなら、私にも起こり得たことかもしれないのです。

 悲劇の後、病院で母親演じるオクタビア・スペンサーは言います。

「電車に乗るように言ったのは私なの。車じゃ心配だったから。まさかこんなことになるなんて」

 フルートベール駅での悲劇の原因は自分とばかりに後悔をする母親。

 なんという悲劇なんでしょうか。その夜さっきまで大晦日をお祝いしてた息子が射殺されてしまうのです。

 親である私は母親の気持ちもわかるし、子を持つオスカーの気持ちもわかります。そしてオスカーの娘の気持ちを想像すると、胸が痛みます。

 この物語は決して対岸の火事ではありません。家族や人生を考えることのきっかけになる物語です。

 

 主演マイケルBジョーダン、カッコいいです。ハンサムで細マッチョでスタイルもよく、黒人映画のリズムの良さも耳に心地良く、繊細な演技も素敵でした。

 母親役のオクタビア・スペンサーは、もちろん最高です。ファンです!

 

 今回言いたいことはそのくらいです。