カモメのつぶやき

好きな映画や本のことを書きます。あとアメリカに留学してたこともあるので、留学や英語にいつても書くことがあります。

ブルース・ウィイリスのことを考える

 ムチムチあるいはデブってかっこいいっていうカルチャーがアメリカにはあると思う。

 自分自身も『ブルース・ブラザーズ』のジョン・ベルシーがカッコいいと思っていたことがあります。『シェフ 三ツ星フードトラックはじめました』のデブでメガネのジョン・ファブロー(アイアンマンの監督でハッピー役のオジサン)も劇中ではなぜかモテモテで、確かに魅力的なんです。

 で、ブルース・ウィリス

 不思議な俳優です。

 ハゲた頭にムチムチボディのモゴモゴ口調。何がかっこいいのかよくわからないところもありますが、大好きな俳優です。

 真っ先に思い浮かべるのは『ダイハード』のジョンマクレーン刑事。あれは新しかった。それまでのアクション映画の主役は無敵感サイボーグ感不死身感があるけど、マクレーン刑事は離婚寸前の愚痴っぽい中年のはみ出し刑事だ。ああいう人いそうな感じは、当時のアクション映画にはなかった新しいヒーロー像だった。今見ると充分無敵感あるけど、あの当時はリアリティが高いキャラクターだと思ったものです。

 アクション映画の代表的な俳優のひとりと認識されているかもしれないけど、その演技力は、『ダイハード』みたいなアクション映画のときのそれより、『シックスセンス』とか『アンブレイカブル』といったシャマラン映画のときのようなおさえた演技が、評価が高いように思えます。

 

 私が思うブルース・ウィリスの、その不思議さは、個性的なのに彼が主演した映画はブルース・ウィリス映画にならないケースが多い、ということです。

 例えば、シルベスター・スタローンが主演をする映画は監督が誰であろうと「スタローン映画」であるし、シュワちゃんが主演すれば「シュワ映画」、ジャッキー・チェンもまた同様だろう(ジャッキーは自分で監督することも多いので違うケースか)。現在ならその最もたるはトム・ビッグスター・クルーズだろう。

 

 一方、ザ・ブルース・ウィリス映画って、『ダイハード』シリーズくらいで、その他の彼の代表的な主演映画は、その監督の色が濃い。

 前述の『シックスセンス』や『アンブレイカブル』ならシャマラン映画だし、『12モンキーズ』はテリーギリアム映画、『フィフスエレメント』はリュック・ベッソン映画、『パルプフィクション』(主演じゃないけど)はタランティーノ映画。

 前述した通り、ハゲた頭にムチムチボディのモゴモゴ口調で、何がかっこいいのわからないけど、確かな個性はある。それなのに腕利き監督の色を邪魔しない、実はスマートな役者でもあるのがブルース・ウィリスなんです。

 マクレーン刑事やアルマゲドンのお父さんのようにベラベラ愚痴を言う役もあるけど、モゴモゴ口調のおさえた演技が多くて多弁さはあまりない役の方が多いと思います。なので静かな演技が、名監督たちの作風と不思議とマッチするんですよね。

 

 ブルース・ウィリスのこと書いてたら、見たくなりました。

 今日は午後ローで『ラストボーイスカウト』をやるらしい。残念ながら知らなかって録画しないで外に出てしまったので、アマプラで見よう。