いかにもベースボールムービーって感じの映画です。ベースボールムービーであって野球映画ではない。ってこのニュアンスわかります?
アメリカンな感じがたまらん。これも宇多丸がいうところの「負け犬たちのワンスアゲインもの」です。
球団を売っぱらいたいバカ女のオーナーが、球界の落ちこぼれたちを集め、インディアンズをなくそうと企てます。はじめはやる気のなかったメンバーが、その企てを知って、優勝を目指すというどシンプルな話です。
逃げられた恋人をリリーフカーで追うキャッチャーのエピソードなど、実際に大リーグであったエピソードらしいし、出演者は野球経験ありの役者が多く、ピッチャーのチャーリー・シーンは学生野球で活躍していたらしく、撮影では実際に130km(すげえ!)のボールを投げていたといいます。
特に映画終盤の盛り上がりはスポーツ映画史上屈指の名シーンで、スポーツを愛する人なら最高に楽しめる映画だと思います。
このシンプルなベースボールムービーの脚本家は、最高にクールで知的な詐欺師映画「スティング」と同じ人というのが、アメリカ映画文化の奥深さだと思います。
個人的な経験だと、大学のときジャーナリズムを専攻していた自分ですが、
「好きな映画は何?」と聞かれたことがあり、「メジャーリーグ」と答えたら、「ジャーナリズム勉強してるのにメジャーリーグっておかしくない?」って鼻で笑われたことがあります(「市民ケーン」とでも答えれば、そいつからは100点をもらえたでしょうが、そいつからの無価値な100点より、鼻で笑われた方が価値があると思いました)。
「メジャーリーグの良さがわからないなんて、人生損してる」と私を鼻で笑ったそいつに同情したのを覚えています。
当時も今もこの映画を楽しめる自分。最高にセンス良いと思います。