カモメのつぶやき

好きな映画や本のことを書きます。あとアメリカに留学してたこともあるので、留学や英語にいつても書くことがあります。

そっくり!『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を見てわかるダニエル・クレイグ版『007』は、『ダークナイト』シリーズと酷似!

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』見ました。ダニエルボンドの最終回ですね。

 

 以下ネタバレありますので、未見の方はお気をつけて!

f:id:kamomailnoby:20211010110440j:image

 最新作を見るため、『カジノ・ロワイヤル』から『スペクター』まで一気見しました。すると、その構成はほぼほぼクリストファー・ノーランバットマンダークナイト』シリーズとそっくりですね。

 

 まず時間軸を作ったことが似ています。前作ありきのストーリー。年齢を重ねるキャラクターたち。変わりゆく時代とともに問われるヒーロー(スパイ)の存在意義。

 ダニエルボンドは、『ダークナイト』トリオ ロジーに相当影響を受けている思われます。

 

ボンド未熟すぎ!カジノ・ロワイヤル慰めの報酬バットマン・ビギンズ

カジノ・ロワイヤル』と『慰めの報酬』は007誕生譚です。まだ人間的にもスパイ的にも未熟なボンド。バットマン誕生の話の『バットマン・ビギンズ』と同じです。

 荒削りなボンド。『カジノ・ロワイヤル』では、いきなり猿みたいにパルクールで逃げる容疑者をすごい不器用なパワー・プレイで追うダニエルボンド。しまいにゃ大使館を爆発させます。

 敵の資金源を断つためにホテルでポーカーに挑みます。しかしポーカーでオケラになり毒まで盛られます。CIAの資金で再勝負してなんとか勝利したけど、ポーカーをした同じホテルでボンドガールとディナーを楽しむ危機感のないダニエルボンドです。

 スパイでない一般人の私だって、毒を盛られた同じホテルが供給する物は口にしませんよ。

 

007の世界観が完成し、見事に終わるスカイフォール

 一番綺麗な終わり方をしてますね『スカイフォール』は。これにてボンドの世界観が確立しました!っていう終わり方で、「ダニエルボンドはこれで終わりで良くないかな?」と思ったほどです。そう思う人も多いかと思います。

 女上司Mは実は前任という設定で男Mとなり、腕利き黒人女性スパイが秘書マネーペニーとなり、Qが登場します。

 そして、あのテーマ曲が作中ガッツリ使われるのって『スカイフォール』が最初なんですよね。

 

宿敵との対決&引退するまでを描くスペクターはダークナイト 

 そして宿敵と対決する『スペクター』。結果ダニエルボンドは引退します。バットマントリオロジーでいうところの『ダークナイト』ですね。宿敵ジョーカーと戦い、結果引退するバットマン

 まあ映画と悪役のクオリティは正直『ダークナイト』とジョーカーにはおよばないと思いますが、007ジェームズ・ボンドの物語としては、ひとつの決着としてありですよね。

『スペクター』を見た後もやはり「この後どう続くのか?」と思いました。

 

最後もほぼ同じなノー・タイム・トゥ・ダイとダークナイト

 そして、ダニエルボンドの最終回『ノー・タイム・トゥ・ダイ』見ました。

 引退して前作に出会った恋人と静かな時間を過ごすダニエルボンド。

 しかしその幸せなひと時はすぐに壊れます。序盤のド派手なアクションは007フォーマットです。見応えあるアクションです。

 なんだかんだで、復帰するダニエルボンド。

 今回のダニエルボンドは、歴代007映画の中でもかなり特殊なボンドです。

 

一人の恋人に固執する

 今回は恋人以外のボンドガールを抱きません。ボンドらしからぬボンドです。

 恋人以外でも三人のボンドガールがいますが、特に色恋にはなりません。そしてどのボンドガールも死ぬことはありません。これも珍しいケースですね。

 

子供がいるボンド

 恋人と別れるボンド。しかしその恋人はボンドの子供を妊娠してて、ボンドの子供を産むことになります。

 新しいです。

 子供がいるボンド。子供を守るボンド。敵にさらわれた子供のために土下座をするボンド。子供のぬいぐるみを拾ってあげるボンド。

 スパイのボンド、守るべき者がいることは強みなのか弱みなのか、難しいところです。

 

死ぬボンド ノブリス・オブリージュの義務を果たすのはダークナイトライジングと同じ

 タイトル『ノー・タイム・トゥ・ダイ(死んでる暇はねえぜ)』のタイトルとは裏腹に、今回ボンドは死にます。

 スパイとして死ぬ、という比喩的な表現ではなく物理的にジェームズ・ボンドという人が死にます。

 ダニエルボンドが死ぬ時、子供のぬいぐるみを持ってるんですよね。この父親的な行動がとても新しいボンドです。

 この死ぬ、というところがダークナイトの最終章である『ダークナイトライジング』と同じなんですよね(バットマンは後日生きてましたってなってましたけど)。

 庶民を守るために死んでいくナイト。まさにノブレス・オブリージュ。身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観ですね。死は美徳というわけではなぬ、この話の場合はあくまで結果ですね。

 まあ『ダークナイトライジング』みたいに最後生きてました、みたいな展開はなくそこは素直に終わりました。

 そして最後に恋人はボンドとドライブ旅行した道を子供と車で走っています。そして子供に父親のことを話します。

 そして

「Bond, his name is James Bond.」

 お決まりのセリフを最愛の恋人が言っておしまいとなります。

 

 ダニエルボンドに一度でもしびれたことがあるなら、やっぱり見に行った方が良いと思いますね。なんだかんだ、ダニエルボンドはカッコいいので。

 

 今回言いたいことはそのくらいです。