前編ではロッキー、エイドリアン、ポーリーというロッキーの人間関係について書きました。
前編はこちら
https://kamomail00.hatenablog.com/entry/2021/09/07/133434
後編は、ロッキーのトレーナーであるミッキーについて、そして宿敵アポロについて書きたいと思います。
ミッキーという老トレーナーは、かつて才能あふれるロッキーに期待をし続けていましたが、ロッキーはその期待に応えることができず、今では三流ボクサーです。ミッキーはロッキーをほとんど見放します。しまいにはロッキーはジムのロッカーも他のボクサーに奪われる始末。
しかしロッキーが世界チャンピオンアポロに指名されるや、ミッキーはロッキーにすりよります。それが気に食わないロッキー。それはそうでしょう。
こう書くとミッキーがすごい嫌な奴に聞こえますが、一概にもそうとはいえず、その過程でさんざんミッキーの期待を裏切っていたロッキーの不甲斐なさもあるんです。ロッキーとしては、ロッキーなりに努力したつもりだったし、辛いときにミッキーは助けてくれなかったと思ってます。
すれ違いです。で、この二人はロッキーの住む部屋で本音を言い合うも交渉決裂します。が、ミッキーを追い出した直後、ロッキーはミッキーを追うんですよ。
「ちょ、ちょ待てよ!ミッキー!」って感じです。
オンボロアパートの外でロッキーはミッキーを捕まえて何か話します。ここのセリフは聞こえません。二人が遠くに映し出されてるだけです。暗に「ミッキー、そうは言ったけど、やっぱりよろしく頼むよ」とロッキーが言ったのかもしれません。この二人が組むことで、二人とも救済されることになるんです。
泣けます。
さて、最後のキーパーソンは、そうアポロです。偉大なヘビー級チャンピオンとして君臨しています。このアポロ、のちに続くロッキーサーガにおいても、とても重要なキャラクターになりますが、ここではその話は割愛します。
まあアポロのアメリカンドリームプロデュースというシナリオがなければ、ロッキーという物語は成立しませんし、どの角度から見てもアポロは最重要人物の一人です。
アポロは割とアメリカンな男で、一見ノリが軽いんです。挑戦者を選ぶときのミーティングでも「イタリアの種馬というネーミングがいい!」と言ってロッキーを選ぶんですが、側近のデュークは「あいつはサウスポーだ。危ない」って忠告するんです(実はこの忠告を無視したことが、後他続くシリーズモノでアポロの命取りになってると思う)。でもアポロは気にしないんです。
モデルがモハメド・アリなので、その言動は常に派手です。テレビのパフォーマンスもビッグマウスだったりします。
「けっ、このチャンピオンはとんだピエロ野郎だせ」とテレビのアポロを見て悪口を言うバーテンがいるんですが、それを聞いたロッキーがこう言います。
「それは違う。あいつはチャンピオンなんだ。何もないやつがチャンピオンになれるはずがない。あいつは本物なんだよ」
直接の対決するロッキーだからこそ、言える台詞です。
そんなロッキーですから、アポロとの対決にとても恐怖しています。恋人になったエイドリアンに言います。
「俺が最後までリングに立っていることができたら、俺がただのゴロツキじゃないことを証明できるんだ」
ロッキーの中で最も有名な台詞です。なにもないロッキー。今まで何もしてこなかったロッキー。でも今エイドリアンという恋人もできて、世界タイトルマッチに挑みます。人生を変えるチャンスです。でも怖い。勝ち負けじゃない。勝ち目はないよ、でも最後までリングに立っていられたら、自分は変わることができる。そんな告白なんです。
泣けます。
ロッキーの言う通り、この映画を見てると勝敗はどうでもよくて、そのひたむきなファイトに感動します。
ロッキー、良いです。こんな映画ないですよ。もし興味ある方は、騙されたと思って見てみてください。
今日言いたいことは、それくらいです。